兎に角それくらい大好きなわけです。
夏になると、それも、夏の夜や、気持がぼんやりしてしまうとき、独りぼっちのとき。
まあ、なんにせよ兎に角夏になると、どうしてもこの本が読みたくなります。凄い恋しくなるのです。
と、今朝思い立ち、読むかーということで読み始めたらたまらなくおもしろくてなつかしくて、部活で学校へ向う登校途中も読んでいました(!)
帰ってきて、ス/パ/王のスパゲティ(ミートソース)食べつつ、読み耽り、結局友達から特に誘いの電話も来ないので、ほんのさっきまで読み続けてました。
(余談ですが、物凄いスピードで読み終わったのは、この本を読むのがこれで4回目だったから。
初めての出会いは、中学校の図書館。読んでみて、読む読まないにかかわらず、この本が手元にないなんて、ありえない! ということでしばらくしてから、つ/た/やで結局買いました。<この段階で、文庫本に格下げされたことは言うまでもありません>買った時に読んだのとそれからしばらくして読んだので3回目、今回4回目、というわけ)
実は、今回も案の定ボロ泣きしてしまい、泣いた所為で重くなったまぶたを擦りながらパソコンと向かい合ってます。
本の内容について色々書きたいんだけど、やっぱり自分の好きなものって好きな理由を伝えられないものなんですね。
私はお婆さんものに弱い。“お婆さんと私と同い年くらいの女の子”設定が物凄く好きです。そんな設定、滅多にないんですけど。
お婆さんが主要で、ジャンル的には、「泣ける!」というのに凄く弱い。
「泣ける」っていうお話は基本的に好きじゃない、なんて明らかに先入観ですが。
けれどやっぱり、心から私が良いと感じ、ボロ泣きするのは、「泣ける」お婆さんの話。
本格的に感想書いてみようか。(ごめんなさい。文の形態かわりました!)
このお話で好きなところはたくさんある。
夜の雰囲気がしっとりと伝わってくるところや、自分と同年代であり、気持がよく分かるところ。
なにより、現実と非現実が面白く混ざり合うところ。
私は夜が好きだ。しかしながら私の思う夜は、重く、冷たく濃く恐ろしげではない。文中から言葉を拝借させてもらいたい。
そう、それは「ヨル」のイメージ。
夜が好きな人は珍しいらしい。珍しく見つけてみても全くうまがあわなかった。
その人曰く、「濃淡で暗くて静寂で、黒くて怖くてグロテスク、そんな夜が好きなの。私変わり者だから。」
だそうだ。
もしかして、文中のつばめが好きな夜はこんななのかもしれない。でも私はそうでないと信じたい。
つばめ達の居る夜は、決して静寂ではないし、重くのしかかりそうな黒じゃない。怖くもないし、無論グロテスクなんかじゃない。
重いが交差して、静かなのにうるさくて、黒じゃなくて星が輝いて、きっとどちらかと言うと藍色で。
怖いのではなく、ワクワクするような。
ともそさんが綴った文章は、私にそういっているように思われた。
けれど、この感じ方は人それぞれであっていいと思う。
ところで、この話は、現実的であり、また非現実である。
つばめの家や亨君の家、またつばめの学校の話なんかは、物凄いリアルである。
お金持ちのお嬢様育ちの子がダラシナイ人を好きになって、駆け落ち。
姉思いの弟は相手の男を追って、バイク事故。
クラスに幾つか点在するグループ。
どれもが本当に身近に聞こえる。唯、それと反対に、
明らかに可笑しい出で立ちで、特にキックボードなんかもって、屋上に現れた星ばあ。
しかもどうやら空を飛べる(らしい)。
などという非現実的要素もある。というか、「星ばあ」という存在が非現実である。
そんな2つの真逆な要素を兼ねそろえることで、ともそさん独特の、何ともいえない雰囲気が出るわけである。
全く、この感じにやられてしまった。
何だかんだいったけれど、疲れたので一言でまとめる!
「兎に角最後が泣ける!」