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逃避にみえることがすごい前進だって確信して生きてる。
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空中庭園、映画のDVDが借りれない。
見たいのに。


家族の話。
この家族は「何事も包み隠さず」をモットーにしている。
でもやっぱりそんなのは前書きだけで。みんなそれぞれに秘密を持っている。それをそれぞれの視点から書いた作品。

そそられたのは、それぞれの登場人物の話ごとに変わる副題。
物語の順番に書くと、
1. ラブリー・ホーム (姉)
2. チョロQ (父)
3. 空中庭園 (母)
4. キルト (祖母)
5. 鍵つきドア (弟の家庭教師・父の不倫相手)
6. 光の、闇の (弟)

チョロQが終わった辺りで、タイトルごとに視点が分かるのだと理解して、題名で誰かを想像しながら呼んだ。
空中庭園はお母さんだろうと分かった。ただ、後は全然違った。「キルト」で、お姉ちゃんに視点が戻り、「鍵つきドア」が弟、「光の、闇の」で物語の締めとしてのなんかかと思った。全然違った。
お婆ちゃんもそうだったけれど、何よりお父さんの不倫相手の「ミーナ」にも視点があたるとは思わなかった。
これが空中庭園の1つのポイントではないかと思う。
この家庭教師が現れることで、この家族が全員で気づかないフリをして隠していた、何かの皮が少しはがれてしまったような。
平穏にみせていた家族の嘘を見破ってしまうような。すごい存在。誰かの視点からこの人の登場を書いてはきっとおもしろくない。ミーナ視点だからこそおもしろい。それがすごく新しい感じがした。

さらに、タイトルになっているだけあって、「空中庭園」の、母の話はすごく圧倒的だった。これがもう1つのポイントなんじゃないかと思う。

お母さんの長期にわたるある意味とても怖い計画。
憎悪をどうやって解消するのかという、末の結果。早く結婚して子供を生んで、自分の家を作り、生まれ育った家を早く出て行くこと。そんなことを計画し、父に近づいたという、そのすごさ。物凄い圧倒される。
そんなことを普通、考えられるのだろうか、考えられないような気がする。考えてもきっと実行しない。けれどお母さんは実行したのだ。それがどのくらいの強い気持ちかということが凄く伝わってくる。次のキルトは、お母さんの方のお婆ちゃんの話。空中庭園をしっかり読み、平行させこれを読むことが凄く楽しかった。

まだまだ良い要素がたっぷり詰まっている。年齢が違う、家族それぞれの視点になって書いているので飽きずに読めることが1番良かった。今思うと、老若男女全部兼ねそろえている気がする。そんな空中庭園。自身を持ってオススメできる作品だった。
 
 

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